歌と法話のコラボレーション『うたかたり』

2010年9月26日(日)京都・旧嵯峨御所大覚寺門跡

IMGP1789.jpg

IMGP1762.jpg00.pngIMGP1782.jpg


嵯峨天皇と空海さま…信頼の聖地にて

9月25日、三夜連続ライブの最終日は京都である。剛胆なこうゆうさんが「来ちゃいましたねー」と緊張の面持ちになるのも当然の場所、旧嵯峨御所であり、真言宗大覚寺派大本山大覚寺の御影堂が、今夜の公演場所である。この様なやんごとなき場所に於いても、啓子さんはマイペースで、「ここさぁ〜、姿見が無いのよねぇ〜」とつぶやきながら、廊下を行ったり来たり。頼もしい限り。頼もしいと言えば、高蔵寺の檀家さんが10名倉敷から到着。更に高雄さんのブレーンが四名、スタッフとして現地合流。体制整い、こうゆうさんの腹もしっかりと据わる。菊の御紋もご灯明に映え、何とも厳かな夕暮れ、開演の時は18:00丁度。

御影堂を埋める、150名の聴衆を前に、啓子さんが選んだオープニング曲は「庭の千種」。こういう曲が、さらっとレパートリーに入っている所がキャリアであり、センスである。続けてこうゆうさんが「お遍路」にまつわる軽めの法話で、すでに聴衆の心を掴む。このオープニングで、すでに成功の予感。演者と聴衆がひとつになって、“うたかたり”は進んで行く。そして、昨夜の様な間延びも無く、最高の出来映えで見事着地。販売コーナーへ我先に列を成す、聴衆の姿が、やはり“うたかたり”のメッセージが伝わった証しとなる。そのメッセージとは? 争う事より仲良くする事、奪う事より与える事、妬む事より共に喜ぶ事、私たちが幼き頃、お年寄りからいつも言われていた事。いつの頃からか「そんな事言ってたら、これからの世の中生きて行けん!」そんな言葉で封印されたしまった、最も単純で、最も大切な事を、優しい歌と、清いお話で思い出して頂く、それが“うたかたり”。

販売コーナーが店仕舞いしても、会場の片付けが終わっても、会の余韻を楽しむお客様があちらこちらに。この大切な場所で、“うたかたり”のひとつの完成形を築いた高雄さんのお顔には、達成感と安堵の笑みがこぼれ、啓子さんは、「ここいいわねぇ〜、すっごく素敵な場所よねぇ〜、またやりたいねぇ〜。」と、どこまでもマイペースなのであった。

嵯峨天皇と弘法大師、生涯を心の友とされたお二人の微笑み頷かれるお姿が、十六夜(いざよい)の月と共に広沢の池に映えるかの様。やわらかな秋の風吹く古(いにしえ)の里の夜は更けゆき、三夜連続“うたかたり”これにて終幕。

(プロデューサー・黒川修司)